- 業界
- 製造業
- 職種
- その他
- 予測テーマ
- 需要予測
- 従業員規模
- 51~100名
印刷機の製造販売を主力に、資材・製版・その他関連機器を提供している株式会社セリアコーポレーション。
今回は同社代表取締役の藤本様、実際にPrediction Oneを利用されている藤井様にお話しを伺いました。
これまでDXやAIに関するような取り組みは行ってきていませんでした。私自身(藤本様)過去にソニー株式会社に所属しており、Prediction Oneについては知っていました。「データ活用初心者でも利用できるツール」ということで、会社全体でPrediction OneをトリガーにDX、データの利活用に取り組んでいけたらなと考えていました。
またAIを活用するにあたりモデルの精度を高めるだけではなく、AIとはどういうものか、データの使い方やデータドリブンな考え方を理解するといった組織の風土を改革するといった面でもPrediction Oneは一役買ってくれるのではないかと考え導入を決めました。
私たちの業務のひとつに、「製版」と呼ぶお客様から入稿いただいた画像データをもとにスクリーン印刷用の版を製造するというものがあります。
製版には多くの工程がある上に、お客様に納品する版は枠サイズもスクリーンの種類も多種多様でして、あらかじめどの仕様のものがどの程度出荷されるかを予測できていると製版工程で発生する業務量の波を平準化できるのにとおぼろげに考えていました。
孔版印刷の手法のひとつで、インクが通過する穴と通過しない穴を作ることで版を製造し、印刷する技法のこと。スクリーン版は印刷画像を形成するための媒体のことを指す。
そこで私たちはスクリーンの出荷数予測を時系列予測モードで行っています。
これまでは「今月の出荷数はこれくらいだろう」と担当者が感覚で算出していましたが、出荷計画業務の標準化を目的にPrediction Oneを活用しています。
予測に必要なデータは主に社内の基幹システムより抽出しています。
今回のPrediction Oneの導入を機に社内のメンバーも取り組みに関心をもってくれたため、組織を横断してのデータのやり取りにも非常に協力的でスムーズに進められました。
下記のような説明変数を用いて予測を行っています。
サポートプログラムが始まるまでは自分たちで変数を設定していましたが、どのようなものを使えばよいのかわからず「営業日数」と「売り上げ合計」のみを変数として活用していました。しかし誤差率中央値が30~40%ほどで、信頼できる結果を得ることができませんでした。
データセットの作り方に関するヒントとモデルを作成する上でのヒントが非常に印象に残っています。
データセットの作り方の部分でいうと「出荷数」という1つの軸で見ても説明変数として「3か月前の出荷数」、「6か月前の出荷数」、「3か月の平均出荷数」、「3か月の平均出荷数」、「3か月の出荷数の最低値・最高値」などを追加することでデータに重みづけをすることができると伺いました。基幹システムにあるデータを使えばすぐに算出できる数値ではありますが、アドバイスがなければ設定しえない説明変数だと思っています。
また最短距離でAIを活用するためのアドバイスとして「前処理の段階で頭の中のモデル設計図を書き起こす」というのを教えていただきました。当たり前のことと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、いざ取り組んでみると「あれもこれもやった方がいいのでは…」という考えが次々に浮かび、どこから手をつけるのがいいか悩むことがありました。きれいに整えたPowerPointやExcelに落とし込まず、まずは手書きで作成したいモデルの設計図を書いてみることで頭の中が整理され、優先順位をつけて取り組むことができました。
手厚いサポートのおかげで現在は誤差率中央値が10~15%ほどとなり、予測結果を生産計画に活用しています。
これまで経験と勘で出荷数を予測していましたが、裏付けのある数値(予想出荷数)を算出することができ、予測結果を待ち望む部門も出てきました。
まずはデータの前処理のルールに取り組んでいきたいと考えています。
現在は担当者1名を中心に他の方がサポートするという体制となっていますが、担当者だけでなく他のメンバーも扱えるようにするため、ラベリングやデータ活用フローのルール化を行っていきたいです。
またスモールスタートで始めたこともあり、現在は1つの予測テーマの深堀りを行っていますが、将来的には他の部署・他テーマでの活用も予定しているため、AI活用の知識を社内に蓄積していければと思っています。
弊社のような数千の製品を扱うような企業であれば、すべての製品を予測対象として考えるのではなく、売上を大きく占める製品の予測から始めることをおすすめします。売上が少ないものの予測はモデルの構築に時間がかかるものの、得られるメリットが大きくないため主要なものに絞りスモールスタートで取り組みを始めることが成功の鍵だと思います。
ありました。
モデルの精度をさらに高めるためにはどんな説明変数を入れたらいいのかなど積極的に話し合う機会が非常に増えました。その中で出てきた案としては「顧客の繁忙期や閑散期のフラグを設定する」などが挙げられます。Prediction Oneを実際に利用している部門だけでなく、他の部門のメンバーとディスカッションを行うことで、各々が持っているドメイン知識を生かした議論がなされ、データに対する関心が高まりました。
AI活用の経験がない人でも、手厚いサポート体制やすぐに不明点を解消できるようなチュートリアル・ホワイトペーパーがあるため、まずは一歩を踏み出したいと考えている方におすすめしたいサービスです。定常業務を行いながら、自分たちだけでAIの導入から業務定着までを行うのはリソース面、技術面から見ても至難の業です。
頼れるところは頼って、得た知識を社内の中に貯めていくというのがAI活用・業務定着を進める上での重要なポイントになると考えています。