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森下仁丹株式会社
森下仁丹株式会社
業界
製造・販売
職種
マーケティング
予測テーマ
見込み顧客予測
従業員規模
301~1,000名

利益率600%達成&DMレスポンス20%改善
~データドリブンマーケティングの裏側~

森下仁丹株式会社
森下仁丹株式会社
業界
製造・販売
職種
マーケティング
予測テーマ
見込み顧客予測
従業員規模
301~1,000名
  • 課題
    ■ 効率的な施策の実施
    ■ DMのレスポンス率の改善
  • ポイント
    ■ 経験値を仮説としてデータに落とし込む
  • 効果
    ■ 実施施策の利益率600%達成、DMレスポンス20%改善

銀粒の「仁丹」でおなじみの森下仁丹株式会社の創業は1893年。医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器ならびに食品などの製造および販売を主な事業としています。

今回は同社で通信販売の効率化を目指しているコンシューマー事業部の白井様、徳野様に取り組みを伺いしました。

効率的なマーケティング活動を求めて

まずはお二人の業務内容を教えてください

私たちはコンシューマー事業部の中のダイレクトマーケティング部門に所属しており、主に通信販売やTVショッピングといったチャネルのマーケティングを担当しています。
DM(ダイレクトメール)と言ってもメールなどを活用するデジタルなものと紙媒体で行うものがあるかと思いますが、私たちは紙媒体を活用したマーケティングを担当しております。

弊社のお客様はデジタルと紙媒体では若干の利用顧客に年代層の違いあるとはいえ、シニア世代を中心に広い世代の方に親しまれているためデジタル・紙媒体のどちらの手法も活用しています。

どのようにPrediction Oneを活用していますか?

私たちの部署では、DMのレスポンス率を予測し施策の実施に活かしています。
また、弊社では私たちの部門のほかに関連会社のコールセンターでも活用を行っており、そこでは毎月のコール予測にPrediction Oneを活用しています。関連会社コールセンターでは放棄率の改善がミッションとしてありますが、現状誤差率10~20%ほどの予測ができており、安定的な運用のサポートとしてPrediction Oneを活用しています。

どのような課題の解決のためにPrediction Oneを導入したのでしょうか?

市場全体的にクロス購入の獲得効率が鈍化してきているのが一番の課題でした。
そこで新規の顧客獲得にも力を入れつつ、購入率の高いターゲットを抽出し、施策を当てることでROI(※1)高め、効率よく売上を上げていきたいと考えていました。特に私たちが所属している部門では、「DMの送付数×送付単価=キャンペーンにかかる費用」と施策の試算を行いやすい点が特徴です。

しかし、単純に送付先を〇〇通減らすという対応では見込みがあるかもしれないお客様へDMを送る機会を損失してしまうことになります。そのためPrediction Oneを導入する前は、Excelを活用してRFM分析(※2)を行っていました。しかし、この方法ではより細かく分析を行いターゲティングしていきたいとなった際に、何万とあるセルをひとつずつ見ていくしか方法はなく非現実的でした。

成功失敗の山あり谷あり

取り組みの詳細を教えていただけますか?

成功事例・失敗事例のどちらもお話しできたらと思います。まずは成功事例をご紹介します。
これまでの過去データや経験から、紙媒体を活用してお客様とコミュニケーションを取った方が反応がいいのではという仮説があったため、紙媒体の施策でのDMのレスポンス率を予測しました。
予測時に活用したデータのイメージは以下です。

データイメージ

▲データイメージ

予測精度は90%ほどで、Prediction Oneを活用せずに抽出したリストへ送付した結果や昨年実施分の結果と比較しても、非常にいい結果を得ることができました。実際の効果として利益率は600%、DMのレスポンス率は20%改善するキャンペーンを行うことができ非常に効率よく販促を行うことができました。

良い結果が出たモデルを近しい内容のキャンペーンを行う際に再度活用してみたところ、そこでも同様の良い結果を出すことができ、実際の業務に活用しています。
寄与度についても私たちが仮説として考えていたものが上位に表示され、肌感的にも数値的にも相違がない結果となりました。

また、閾値(※3)ごとに結果を見比べてもある一定の値を超えるとレスポンス率が下がるという気づきもあり、更なる施策の効率化のヒントを得ることができました。

失敗した事例はどのようなものでしょうか?

休眠顧客の掘り起こしを行うキャンペーンでのレスポンス率の予測は、あまりうまくいきませんでした。
モデル自体の精度は★4とそれなりに高いものとなっていましたが、寄与度の画面に出てくる項目が私たちの想像とは違い、「都道府県」や「支払い方法」といったものが上部に表示され、私たちが仮説として考えていたものとは相違のあるものだと感じましたが、思い切って施策を実施しました。

やはり結果はいいものにはならず、私たちが立てた仮説とPrediction Oneが算出した寄与度に大きく差異が出た場合は、説明変数を見直すなど更なる工夫が必要だと感じました。

この施策の反省として、予測がうまくいかなかった原因は下記が挙げられるのではないかと考えています。

  • ① 過去に類似キャンペーンの実績がなかったため、仮説を基に学習用データを作成してしまった
  • ② 製品自体が発売してから日が浅く、休眠顧客の母数が少なかった

予測結果について弊社を担当していただいているデータサイエンティスト(※4)の宮本さんにお伺いしたところ、「Prediction Oneは過去の実績データがないものについての予測は苦手分野のひとつ」であるとお伺いしました。
Prediction Oneに限らず予測系AIは過去データをもとに回答を算出するため、過去データの重要性を改めて感じました。

Prediction Oneに投入するデータを準備する上で難しいと感じた点、課題はありましたか?

説明変数の選択には頭を悩ませました。説明変数を多く入れすぎてもいい結果を得られなかったり、偏りがあるデータを投入してしまうと偏りのある予測結果が出てしまったりと、説明変数の調整が課題でした。
試行錯誤を繰り返し現在では、『必ず必要な説明変数+4つないしは5つの説明変数を選定する』というルールを設け運用を行っています。モデルによって変動する説明変数については予測モデルの精度を前提に決定しています。

Prediction Oneは★1~★5で評価をしてくれるため、★4後半のモデルであれば精度がいいと判断する基準を設けるようにしました。
逆に精度が100%と出た場合は喜ばしい反面現実的な精度ではないため、データに誤りや偏りがあったためこのような結果になったのではないかと改めて確認する作業を行うようにしています。

Prediction Oneの精度評価画面イメージ

▲Prediction Oneの精度評価画面イメージ

データを準備し予測を行う中で、仮説を持って予測分析を行うことの重要性を学びました。
データの相関関係に惑わされることなく、因果関係を担当者自身で仮設を立て導き出すことが、AIを活用する上でのポイントとなってくるのではと思っています。
人の判断と仮説を持って検証を行うことが予測AI活用の鍵です。

ROIの向上で組織へ貢献

導入後に変化はありましたか?

もちろんありました。これまでは分析をしても、最後は明確な根拠がないままDMの送付先を選んでいましたが、Prediction Oneでの予測結果をベースに議論を行い意思決定ができるようになりました。

何よりこれまで「このモデルで行こう!」と決めるまでに何度も試行を行っていましたが、Prediction Oneを導入後はその工数が約半分となり、他の業務に使える時間が増えました。
またPrediction Oneで精度が高い予測を実施できたことによって、マーケティング予算のコントロールと施策のROI算出が今までよりも時間をかけずデータドリブンに行うことができています。クロス購入の獲得効率という面から見ても販売費を削減して、売上は担保できる施策を実施することができています。

これからもPrediction Oneにサポートしてもらいながらマーケティング活動を行っていきたいと考えています。

  • ※1 ROI
    Return On Investment の略。投資に対してどれだけの利益を得られたのかを把握するための指標のこと。
  • ※2 RFM分析
    「最終購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」という3つの指標で顧客をグループ分けする分析手法のこと。
  • ※3 閾値
    一般的にある一定値以上で影響が出て、それ以下では影響が出ない境界の値のこと。
  • ※4 データサイエンティスト
    Prediction Oneのライセンスとデータサイエンティストのサポートがセットになった法人プランのご用意もございます。データ活用に不安がある方はぜひこちらのプランもご確認ください。
    Webサイト:https://predictionone.sony.biz/plan/
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