- 業界
- 広告
- 職種
- マーケティング
- 予測テーマ
- 需要予測
- 従業員規模
- 51~100名
「ココロを動かすチカラになる」を企業スローガンに掲げ、エリアマーケティング×リレーションシップマーケティングでお客様課題を解決することを目指している、株式会社オリコミサービス。
新聞折込広告を通じて培ったマーケティング、プロモーション、ロジスティクスの仕組みを進化、成長させることにより、新たな価値と市場を創造し、ヒトとモノを動かすことで、お客様の商売繁盛と豊かな社会生活の実現に寄与しています。
今回は、マーケティング部の鷹野様・柳瀬様にお話をお伺いしました。
私たちの主な業務内容は店舗周辺の地域や店舗周辺の住人に関するデータの集計・分析です。住民基本台帳や国勢調査の結果などの静的なデータ、スマホキャリアが提供するGPSの動的なデータを掛け合わせて分析を行うことで、分析の質の向上に取り組んでいます。また、これらの分析結果に基づくプロモーションプランの計画や、営業担当がクライアント様に投資提案を行う際の後方支援も担当しています。クライアント様はスーパーやホームセンターなどを中心として小売業の他、様々な企業のプロモーションがメインとなっています。
これまでは主に外部のデータサイエンティストの協力を得ながらPythonなどを活用し様々な分析を行っていました。
私たちはデータを分析するだけではなくビジネストランスレーターとして提案の後押しとなるデータの収集とそれに関する説明を行うことが役割となっていて、精度の良いモデルを構築すること自体の優先度は高くない状況でした。
これまで分析業務を長らく行ってきていましたが、表計算による分析の限界を感じていました。機械学習を用いて分析業務を行うことでより高度な分析ができるのではないかと考えていたところ、Prediction Oneを知り導入の検討を始めました。先述の通り予測の精度を上げるというよりも、「予測結果に関する寄与度がわかること」が重要だと考えていましたので、Prediction Oneはその点をしっかり押さえているツールとして好感を持ちました。また実際に体験版を利用してみたところ、使い手の工夫次第で様々なテーマで分析ができそうと感じたため、導入に至りました。価格面を考慮してもPrediction Oneが最適なツールであると判断しました。
まず「家庭に届くチラシの部数の予測」を行っています。
「お正月や連休前はなんだかたくさんチラシが入っているよね」といった肌感覚を実際に数値化する作業になります。
各地域でチラシの部数を集計しており、統計データとしての情報は既に存在していますが、過去の配布部数を活用し、未来の部数を予測するといった取り組み自体は新しいものではないかと思っています。予測テーマ自体は難しいものではないものの、これまでの肌感覚をデータ化することによって営業担当が「分析結果からこの日は○枚のチラシの配布が予定されており別日に比べると○枚少ない日になりますので、この日に折込チラシの施策を行ってみてはいかがでしょうか?」といった提案をする際の後押しになると考えています。
説明変数は下記を用いて予測を行っており、予測の精度は誤差率平均:12.5%ほどです。
全国的なチラシ枚数の平均が約9枚/日ですので、誤差としては1枚前後です。
売上や出荷数など、ビジネスの様々な場面で予測分析は利用されているかと思いますが、母数が10に満たない中での誤差率約10%といった数値はかなり精度が高いと感じています。
これくらいの精度であれば、データを提示しながら十分にクライアント様と「この日にチラシを配布しましょう」といった会話ができます。
予測自体は新聞の休刊日が発表されてから向こう1年分を行っているため、出稿計画も立てやすくクライアント様も提案に対して納得してくれることが増えました。
「レジ客数の予測」にも取り組んでいます。※1
弊社は折込チラシ以外にも様々な手段でクライアント様の販売促進のサポートをしており、折込チラシの数やWeb施策がレジ客数にどのような影響を与えたかを分析するというものです。
折込チラシはデジタル上でのコミュニケーションとは異なり効果を数値化することは非常に難しく苦戦をしているところです。また分析をするために、すべての施策を「数値化できる」といった側面からデジタルのものへと代替させても、同様の効果を得られるかと言ったらそうではないと思いますので施策提案時もバランスが重要だと考えています。そんな中でも予測する過程でこれまで数値化できていなかったことや、新しい発見も多くあります。
小売業の中でも化粧品や衣料品などのEC化は進んでいる一方で、食料品系のEC化率は依然として高くない状況です。このような業界特性も理解しつつ、「レジ客数の予測」を行っていければと思っています。ゆくゆくはクライアント様の1番のミッションでもある「お店に人を呼ぶ」という集客部分をこの分析を通してサポートをしていきたいと考えています。
デジタル・アナログの手段にとらわれずクライアント様が運営するお店が愛され続けるための方法を提案・実施していくことが私たちの仕事であると考えています。これまで培った経験とデータ活用のノウハウをもとに更なる支援を行っていけたらと思います。
加えて現在は私たち二人だけで利用していますが、標準化された仕組みとして社内にも共有していきたいなと考えています。より多くの社員がデータの中から新しい発見をして、活用できる環境が出来上がることでお客様の課題解決に必要なベストなご提案をしていきたいです。
弊社は新聞折込というトラディショナルでアナログなメディアを扱う会社で、数年前までは「予測」というようなところから遠いところにあるような会社として思われていたところがあります。しかしアナログなものを扱う会社だからといって、これからも「データを扱わない・デジタルツールを活用しない」といったスタンスでは新しい価値を作っていくことはできません。私たちのようにデータを活用してみたいと少しでも思ったことがある方には最初の一歩として使いやすさ・価格面から見てもPrediction Oneはぴったりなツールなのではないかと思います。
私たちもまだ決してうまく使い切れているとは思いませんが、トライアンドエラーを繰り返しながら今後も積極的にデータ活用に取り組んでいこうと思います。