- 業界
- 金融・不動産
- 職種
- 戦略・事業企画
- 予測テーマ
- 解約予測
- 従業員規模
- 1,001名以上
大東建託が施工する賃貸建物のプランニングや家賃査定、管理事業を行なっている大東建託パートナーズ株式会社。賃貸物件における退去者の予測を、Prediction Oneを使ってお取り組みいただきました。活用に至るまでの背景やその効果や展望について、同社事業戦略企画室・船本様に伺いました。
私が所属する事業戦略企画室では、「一括借り上げ」という弊社の主軸事業を拡張していくための企画をしております。主に既存業務に対する改善、お客様へのアプローチなど、DXを絡めながらいろいろな施策を展開している部署となります。
ツール導入ですと、弊社が展開する「賃貸住宅に住まう方向けのアプリ(ruum)」の中で、入居者様がお部屋のお困りごとをAIにお問い合わせできるサービスを展開しています。様々なお部屋のトラブルに対しAIが解決策をご案内するものです。
また、そのようなお問い合わせを分析しサービス向上に活かすためテキストマイニングのツールを以前から使っています。ただ、今回のようなデータ分析の文脈でAIを使ったのはPrediction Oneが初めてでした。
退去者予測は今まで取り組んだことがない分野でした。というのも、退去は入居者様のライフステージが変わるタイミングで起こるものなので、弊社が止められるものではないと考えていたのです。
ただ、退去のタイミング、あるいは退去した後のタイミングでも、一度弊社のお部屋に住んでいただいた方との接点を失うのはもったいないことや入居者様との関係をこれっきりにしてしまわない方法が何かあるのではないかと考えました。
AIによる分析・予測を行うことで、たとえ退去は止められなくとも、転居先で再び弊社の部屋に住んでもらう施策を早めに打てる可能性があります。また、退去タイミングがある程度わかれば、弊社からお客様に引っ越し会社を斡旋することで新たな収益モデルにもなり得ます。このように退去予測をすることで、ビジネスチャンスやお客様へのアプローチの幅が広げられると見込んでいます。
これまではAIやビッグデータの活用シーンを見出せていないところがありましたが、今回Prediction Oneのお話を伺って、活用可能性を広げられる良い機会だなと捉えました。
退去日、生年月日、性別など取れているものはきちんと残っています。ただ、Prediction Oneを活用しようとしたときに、担当の方と話をしながら「このデータもあるとよかったね」というデータは他にも出てきました。
UIが非常にわかりやすく、操作上で戸惑うことはありませんでした。
今回は退去のみの予測を行ったので、他の分析についての可能性はまだわかりませんが、部内で「こういうAIツールがある」ということを認識できました。今後AIツールを使っていろいろなことを分析できそうだという期待も、会話の中で生まれていますね。
退去予測にトライしたので、次は入居ではないでしょうか。賃貸物件に住み始める人、お部屋探しをしている人はどんな人なのか、データを取ってみたい気持ちはあります。そこがわかれば、見込み客に対するアプローチ施策も考えていけます。
新しいツールを導入するときというのは、課題感がホットな状態で、単発的に取り組むことが多いと思います。ただ、実はツールは導入することよりも継続的に取り組んでいくことの方が大事ですよね。継続という意味では、新しいツールは付加的な業務となるぶん手間となり、つい後回しにされがちなところがあると思います。
その点、弊社にとってスタートアッププログラムは非常に良い仕組みでした。担当の方の存在が良い意味でプレッシャーになり、「やらなきゃ」という意識を高く持つことができたことは本当にありがたかったです。
また、Prediction Oneにおいては提供されている動画を見るだけでも大体のことは理解できるのですが、やはり実際の操作感や具体的な要件の切り口などを直接第三者のプロからアドバイスをいただけたことはすごく助かりました。
次のステップはMAにつなげていくことかなと考えています。AIによる分析で見出したことをMAとつなげることで、あらゆる施策の展開の可能性が広がります。
先ほど申し上げたように、退去前にこちらから対策となるアプローチができるということも1つですし、セグメントしたお客様に対して自動的・定期的に同じ施策を打てることで効率化も図れます。データ分析がMAと連携して業務効率化を進めていくことをゴールとなる世界観として描いていきたいと思います。