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株式会社常陽銀行
株式会社常陽銀行
業界
金融・不動産
職種
戦略・事業企画
予測テーマ
見込み顧客予測
従業員規模
1,001名以上

リスクを最小限にAI導入!
勘や経験を上回る成約率を実現した理由とは?

株式会社常陽銀行
株式会社常陽銀行
業界
金融・不動産
職種
戦略・事業企画
予測テーマ
見込み顧客予測
従業員規模
1,001名以上
  • 課題
    ■ 顧客分析が勘や経験に頼った属人的なやり方だった
    ■ AIを活用して新たな切り口を得たい
  • ポイント
    ■ 予測分析に関する基本的な機能が網羅
    ■ 価格が破格でスモールスタートが可能
    ■ 結果に対する腹落ち感
  • 効果
    ■ 法人・個人向け商材の見込み顧客の抽出
    ■ 個人向け商材の見込み顧客の予測精度が85%以上
    ■ 従来と比べても高い成約率を実現

茨城県水戸市に本店を置く株式会社常陽銀行(以下、常陽銀行)様では、勘や経験で属人的になってしまっていた顧客分析からAIを用いたデータ分析への舵取りに取り組まれています。
Prediction Oneを導入して従来よりも高い成約率をどのように実現されたのか?その活用方法についてお話を伺いました。AI導入になかなか踏み切れないという方はぜひご一読ください!

▲海﨑 和幸様 営業企画部戦略企画グループ

▲海﨑 和幸様
営業企画部戦略企画グループ

リスクを小さくスモールスタートで導入可能

具体的な業務内容について教えてください

営業企画部の戦略企画グループに所属しておりまして、私はデジタル分野を担当しています。21年3月にリリースした「常陽バンキングアプリ」という個人向けのスマホアプリの機能改善やアプリ上のマーケティング施策などが主たる業務になります。
また、営業企画部が提供する法人個人向け商材について、マーケティングで蓄積されたデータを分析し、各種施策の効率化および効果の向上に取り組んでいます。

Prediction Oneを導入されたのはどのような経緯だったのでしょうか?

私のグループではAI活用についてはPrediction Oneの導入が初めてになります。これまでもエクセルで分析は行っていましたが、過去の分析データを代々引き継いで利用しており、属人化していました。
AIを活用すれば、顧客が何を求めているのか、勘や経験で属人的に判断していた部分に新たな切り口が得られるのではと情報収集を行っていました。 Prediction Oneは、東洋経済の記事で紹介されていることをきっかけに知りました。

導入の決め手はなんだったのでしょうか?

こういったAIは金融機関・銀行でどこも興味を持たれているかと思いますが、コスト面がネックになり導入に踏み切れないケースが多いかと思います。
しかし、Prediction Oneは予測分析に関する基本的な機能が網羅されているにも関わらず、他社製品と比較して安価に利用できます。リスクを最小にスモールスタートで実施できるのは非常に魅力的でした。やりたいことができるという点と価格が破格という点の2つが決め手となりPrediction Oneの導入を決めました。

社内の活用推進に最適!
チュートリアルも充実してシンプルで使いやすいツール

Prediction Oneを実際に使われてみて、操作感はいかがでしたか?

シンプルで使いやすいツールだと思います。チュートリアルも充実していて、データセットで躓いたときはPrediction Oneのヘルプやチュートリアルを確認すれば理解できました。基本的な知識については勉強しておくのは当たり前だと思うので、ツール自体は非常に使いやすいという印象でした。
分析時間についてもモデル作成で約5分、リスト作成に10分~15分程です。他社製品だと朝学習して夜に分析が完了するものもあり、短時間で分析できることに驚きました。

また、操作感ではないですが、具体的な分析事例があるのはありがたかったです。業種が違う事例でも、自分の業界に当てはめたり、やりたいことのイメージが湧いたりするので良かったです。

よりエンジニア向けのサービスを見たり触ったりもしたことがありますが、社内に浸透させるのは難しいと感じました。データセットさえ用意すれば直感的に操作できるUIや特徴量の可視化ができる点は社内での活用推進していく際に重要なポイントなので、非常に満足しています。

分析を行う際に大変だったことはなんでしょうか?

データの前処理です。目的変数(予測したい項目)を決めた上で、説明変数(予測に利用する項目)にどんなデータを投入するかがもっとも重要であり、9割方そこに左右されると思います。商材担当者と膝詰めで話し、データを取得できるかは一旦横に置いて、どんな説明変数が必要かを検討しました。

例えば、『カードローンを使う人はどういう人が多いのか』を考える時に口座の異動状況や払出し行動に関し、顧客心理を想像して仮説を立て、それを表す投入可能なデータを選定し、説明変数を出していきました。そこからPrediction Oneに投入できるデータフォーマットに整備するところが、時間にすると一番かかり、8割方はこの作業にかかっていました。

従来のリストよりも高い成約率を実現

Prediction Oneをどのような分析テーマで活用されていますか?

営業企画部で利用しており、法人・個人向けの分析、リスク管理やモニタリングなど幅広い分野で予測分析を活用できないか模索しています。
具体的に、法人・個人向けそれぞれの見込み顧客の抽出にPrediction Oneを使っていますが、個人向けのお客様に対する見込み顧客の抽出精度が高く、マス向けの方が機械学習との相性が良いのではと考えています。今後は、データに裏付けされたマス向けのマーケティング施策を打てたらと考えています。

個人向けのお客様の予測精度は具体的にどれぐらいの精度が出ているのでしょうか?

説明変数がうまくはまった時にはAUC(予測分析における評価指標)が85%以上出ているので精度としては高いと思います。実際にPrediction Oneで予測したリストと従来どおりのやり方で作成したリストでABテストを実施しました。
結果は、個人のカードローンや積立投資信託など、軒並みPrediction Oneで予測したリストの方が成約件数は高かったです。データを投入してすぐに得られた予測でこんなに精度が高い結果になるのかと驚きました。

ABテストを実施されてみて、業務効率化にはつながっていますか?

アプローチリストの作成工数に関しては、従来は単純にセグメントを切っていただけなので、Prediction Oneでリストを作る方が時間はかかっています。しかし、一度予測モデルを作ってしまえばデータを用意するだけなので、長期的に判断すると省力化につながると思います。
また、成約率が高まればそれだけ無駄打ちも減らせると思うので、今後は精度をいかに上げていくかが非常に重要だと考えています。

結果に大きく寄与していた説明変数は予想どおりでしたか?

正直驚きの方が多かったです。こんな特徴量の寄与度が高いのかと毎回驚く部分があります。
例えば、予測モデルを作成する際、取引期間の長さや、取引残高の情報が寄与するのではとなんとなく予想していましたが、口座の入出金の動きやATMの利用頻度、他基盤の成約状況など、予想していた特徴量と異なるものが寄与度の上位に出てきました。
これは今まで人力で行っていたら知る由もなかった知見が多いので非常に面白いと思いました。

精度を上げるために工夫したことはありますか?

精度を向上させるには、試行錯誤が重要だと思っています。予測モデルを作成する際に各担当者から意見を吸い上げて修正を繰り返してきました。それでも精度が上がらない場合、変数の見直しをしました。
説明変数の入れ替えは一つずつ試している段階で、高精度なモデルを作成する余地はまだあるかと思います。今後は実際に成約した顧客のデータを予測モデルに反映し、さらにモデルをブラッシュアップしていきたいと思っています。

データドリブンな組織作りへ

AI導入の目的は、属人化解消だったかと思いますが、目的は達成されつつありますか?

現状ですと、非対面での個人向けのマーケティング・営業活動に関する予測分析の推進が中心となり、現場への本格導入はまだ行えていない状態です。ある程度成果が出たタイミングで現場の対面営業の分析にも活用していきたいと考えています。

また、法人向けの成約予測では、予測する際に必要な情報が多い一方で、データの情報更新を現場が十分に行えきれていない部分もあり、データ登録のルール立てを進める必要があると考えています。データの蓄積と分析を両輪で行っていければと思います。

現場導入を進めていくにあたってどのように説得を行おうと考えていますか?

成約率の高い人のデータを渡したとしても、非対面のマス向け施策であれば構わないですが、お客様と対面で対応している現場では、データに対して「腹落ち感」がありません。

例えば、本部からよくわからないリストを渡され、それが現場の感覚とずれたリストであれば、腹落ちできないですし、やらされ感があると思います。Prediction Oneでは、どの項目(特徴量)がどれだけ寄与しているのかが一目でわかるようになっています。
「AIで分析した結果、こういう特徴量が効いているお客様は過去の実績からも成約しそうだ」という示唆が得られれば、ただリストを渡されることに比べても非常に腹落ちすると思っています。

今後の展望について教えてください

今まで勘や経験で行っていた部分にデータとしての根拠が見えてきています。社内でもデータに基づいて考えるという風土が徐々に浸透しつつありますし、今後は、「なんとなく」ではなく、データの根拠を持って施策を展開できればと思います。

まだ、横展開できていない部分もありますが、データの重要性を認識し、気軽に様々な分析のトライアルをしているということが成果につながっていると思います。これは、Prediction Oneが気軽に利用できるということが大きいです。

将来的に、営業企画部の各担当者が施策を打つ際にまずPrediction Oneで予測を行い、経験や勘ではなくデータの裏付けがある形で施策を展開していきたいと思っています。データ分析を行える部署や部門が拡大し、データドリブンでPDCAを回せる組織になれたらと思います。

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