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公益財団法人流通経済研究所
公益財団法人流通経済研究所
業界
その他
職種
マーケティング
予測テーマ
需要予測
従業員規模
1~50名

「豆腐」と「揚げ」の最適発注を叶える
~フードロス削減を目指す共創プロジェクトの裏側~

公益財団法人流通経済研究所
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業界
その他
職種
マーケティング
予測テーマ
需要予測
従業員規模
1~50名
  • 課題
    ■ 注文数と納品数に差がありフードロスが発生していた
  • ポイント
    ■ 現場の見解をもとに説明変数を加え、モデル精度の向上を実現
  • 効果
    ■ AIに関する知識の蓄積と次回取り組みに関する方針を検討

流通、マーケティング分野において広く社会に貢献することを目的に研究調査活動を展開されている公益財団法人流通経済研究所。
今回は石川様、寺田様にお話を伺いました。

担当業務について教えてください。

流通・店頭・環境部門で政府・自治体の環境負荷削減に向けた政策推進や、民間企業のサステナビリティ経営の支援を主に行っています。

これまでAIカメラの利用などはありましたが、需要予測に関してAIを活用する取り組みは当部門でも今回が初めてです。また私自身AIを使った業務は初めてだったので、当初は使いこなせるか、思ったような成果が出せるだろうかと不安な点がありました。

Prediction Oneをどのように活用していますか?

サンプラザ様※1との日配品の需要予測に関する取り組みでPrediction Oneを活用しています。

本取り組みでは日配品の中でも日々の発注数が多く、データの揃いがよかった「豆腐」と「揚げ」を予測対象品として日別の需要予測を行いました。

サンプラザ様ではこれまで日配品はAIを使わず、担当者の経験をもとに前日に発注しており、予測の精度向上と発注の手間の削減に寄与できるのではないかと思い共同で取り組みを始めました。納品前日に発注が行われるために、納品に間に合わせるために製造側では見込み生産を行っており、受注数と生産数が見合わず、食品ロスが発生してしまうこともありました。担当者の工数削減はもちろんのこと、フードロスの削減にもAIが一役買ってくれるのではと期待していました。

本取り組みのスキーム

今回はサンプラザ様の保有店舗の中でも売上上位店舗のうち都市型5店舗、郊外型5店舗を対象に検証を行いました。

どんなデータを活用して需要予測を行いましたか?

時系列予測モデルを利用して需要予測を行いました。
説明変数として活用したデータは下記になります。

利用した説明変数※一部
  • 特売データ
  • 土日祝日
  • 店舗区分
  • 最高気温
  • 最低気温
  • 気温差
  • 天気
  • 降水量の合計
  • 前日との最高気温の差
  • 気温下落大フラグ
  • 最高気温移動平均
  • 昨年同曜日売上数量
  • 昨年特売フラグ
  • 昨年の最高気温
  • 昨年の最低気温
  • 昨年気温差
  • 昨年天気
  • 昨年降水量の合計

はじめはどのような説明変数を用いるべきか検討がつきませんでした。

データサイエンティストの方より「気温の移動平均値や前年同曜日の数値を入れてみるのはどうか」など様々なアドバイスを受けたことによって「豆腐」に関する予測モデルでは誤差率中央値が約13%、「揚げ」については約22%のモデルを作成することができました。

またデータサイエンティストの方の知見だけではなく、実際に店舗で業務をされている方にヒアリングを行い「現場の感覚」を説明変数として取り入れました。今回はサンプラザ様の商品部長、日配品の商品担当長、情報システム部門の方々など様々な方にご協力いただき、各担当者様の視点でモデルの精度についてご意見を伺うことで、より現実味のあるモデルの作成、説明変数の設定ができたのではと思っています。

モデル精度の改善を行う中で競合店の影響を強く受けている店舗が一定数あるのではないかという仮説が出てきており、今後は競合店の販促情報を説明変数としてモデルに投入できないか検討していく予定です。

本取り組みに関してどのような反応がありましたか?

サンプラザ様のご担当者様には「悪くない精度ですね」と手応えを感じたコメントをいただきました。一方で本取り組みを農林水産省「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」の検討会にて発表した際に「もう少し精度が高くないと、実利用は難しいのではないか」という厳しいコメントも頂戴しました。フードロスの観点からも現状の精度に満足せずヒアリング内容をもとに説明変数の追加など試行錯誤を繰り返していきたいと思います。

Prediction One自体の評価はいかがでしょうか。

今回初めて予測AIというものを使ってみましたが、予測するスピードが非常に早く、初心者でも予測結果を読み解けるような結果表示画面となっており、抵抗なく利用できました。また様々な機能が搭載されている中で、予測結果とその解説をPowerPointで自動で生成してくれる機能 ※2が非常に便利でした。データサイエンティストの方へ現状を共有する際やサンプラザ様へ報告、ヒアリングをするための資料として何度も活用させていただきました。モデルに対する考察を行い、1から資料を作るとなると非常に時間がかかりますが、この機能を活用することによって大きくその時間が削減されました。無料で利用できるというのも魅力的ですね。

今後の展望について教えてください。

今後はサンプラザ様で実証実験を行っていただく予定です。
モデルの精度を上げつつ、実業務の中で活用を根付かせることができるのかという点を検証していければと思っています。

本取り組みを通じてAI活用に関するベース知識を得られることができました。
また今回の取り組みを通してどんな内容であればAIを使って予測することができるのか、また思ったような結果が得られるのかという感覚を掴めるようになりました。この感覚を持ちつつ、他の企業様の支援もできたらと考えています。

  • ※1 サンプラザ
    南大阪、奈良で店舗を展開する、地域密着型のスーパーマーケット
  • ※2 予測結果とその解説をPowerPointで自動で生成してくれる機能
    説明資料生成機能
    詳細はこちら:https://predictionone.sony.biz/dl/create_slide.html
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