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フェリカネットワークス株式会社
フェリカネットワークス株式会社
業界
情報通信
職種
戦略・事業企画
予測テーマ
その他
従業員規模
101~300名

レシートデータの活用に新潮流
~欠損データを補完しクライアントのマーケティング支援を強化~

フェリカネットワークス株式会社
フェリカネットワークス株式会社
フェリカネットワークス株式会社
業界
情報通信
職種
戦略・事業企画
予測テーマ
その他
従業員規模
101~300名
  • 課題
    ■ 属性データが欠損している
  • ポイント
    ■ 説明変数を多く設定する
    ■ 集めたデータを手作業で入力し正確なデータを作成
  • 効果
    ■ 欠損データの補完ができ、クライアント企業のマーケティングを支援

交通乗車券や決済、認証などのサービスを利用いただくためのプラットフォームの提供を祖業とし、デジタルマーケティングプラットフォームをもとにソリューションを展開するなど様々な取り組みを進めるフェリカネットワークス株式会社。
今回は同社の多田様、樋口様にお話しを伺いました。

まずはお二人の業務内容を教えてください。

私たちの主軸事業は非接触ICカード技術「モバイル FeliCa」を用いたプラットフォームの提供です。「Suica」や「QUICPay」などの電子決済サービスを利用されている方も多いかと思いますが、このようなサービスは私たちが開発したプラットフォーム上で提供されるサービスのひとつです。

私たちは新規事業として「紙のレシートをデジタル化して購買データでマーケティングを支援する」というサービスを6~7年ほど前に企画し立ち上げ、現在はメーカー様や流通事業者様向けにレシートデータを活用したマーケティングソリューションを提供しています。

どのようなマーケティングソリューションを提供しているのでしょうか。

そもそも購買データを活用したマーケティング自体は以前から幅広く行われており、商品を製造・販売するメーカー様であればどんな企業でも自社商品がどの様に売れているのか知りたいという願望は変わりません。
私たちはこのようなメーカー様の要望を叶えるため、日々のお買い物レシートデータを活用したマーケティングツールの提供を行っています。レシートを活用する新しい切り口でデータを収集することにより、一般消費者様が普段どんなお店でどのようなお買い物をしているかを幅広く分析することが可能となっています。

ポイント獲得を目的としたレシートではなく、日々のお買い物レシートからデータを構築しているため、自然でバイアスのかかっていない分析ツールをご提供できていると思っています。スムーズにお買い物記録をつけていただくために面倒なデータ入力は必要なく、レシートを撮影するだけで完了します。一般的にはコスト削減のためにOCR処理で対応している場合が多いですが、我々はデータの正確性を担保するために日本人オペレータによる転記によって、質の高いデータを担保しています。更に、当社独自の商品マスタを活用して、構造化されたデータへと整形しています。

Prediction Oneはどのようにご利用されていますか?

我々のレシートデータでは、ユーザー属性の回答率が6割程度に限定されていました。マーケティング分析にあたり、「4割のユーザー属性はわかりません」とお伝えしなければならず、収集したデータをうまく使い切れていないという課題がありました。
このような課題を解決するためPrediction Oneを活用し、各変数から男女の属性だけでなく既婚/未婚の属性、年代などを予測しています。

どのような変数を使って予測を行っていますか?

実は説明変数は900項目ほどあります。Prediction Oneは一度に1,000項目ほどの説明変数を投入できるので、寄与する/寄与しないかは別として学習の参考になるようなるべく多くの説明変数を投入するよう心がけています。説明変数のイメージは下記です。

説明変数のイメージ

▲説明変数のイメージ

予測を行っていく中で、「女性を予測することは難しいが、男性は予測しやすい」ということが見えてきました。そもそもお買い物履歴を記録するユーザーは70%ほどが女性です。ジュースを飲む/飲まないで性別の判断はできませんが、「ひげそりなど男性しか使わない商品を買っている」「しかもドラッグストアではなくコンビニで買っている」という情報がわかれば、その人が男性である確率が上がっていき、このような形で男女の属性を予測しています。

しかし、代理購買をしている場合も多く、(夫の代わりに妻が商品を購入するなど)特にスーパーでの買い物は本人の購買傾向を表していないのかもしれない、という部分に注意が必要です。その点、お買い物レシートの30%は代理購買がほとんど発生しないコンビニレシートのため、属性を推計しやすいとも言えますね。

樋口様

▲樋口様

多田様

▲多田様

また先述の通り、ユーザーの男女比は同じではなく、そもそも女性と予測した方が当たりやすいのでデータが偏る可能性があることも考慮しなくてはなりません。100人分のデータがあるとすると約40%の属性がわかっていない状況になるので、残りの60%を教師データとして「ユーザーの属性分布は同じであるはずだ」と仮説を立てて、予測分析に取り組んでいます。

「女性が70%」という座席数はすでに決まっているので、予測結果においても相対的な順番が決まっていれば正しく予測が立てられるはずです。このような仮説も交えつつ違和感が生じないよう、全体像とのバランスも考えならチューニングをしています。

予測結果を実際にはどのように活用していますか?

予測結果を独自の分析ツールに組み込んで、顧客である大手メーカー様や流通事業者様が見たい情報をいつでも見られるように展開しています。

例えば、コンビニ様の視点では、自社チェーンで売れている商品はわかるものの、他社チェーンでの購入状況まではわかりません。隣の店舗がライバルという仮説があった場合に「自社店舗でも売れているけど、他社店舗ではもっと売れているかもしれない」といった情報を得るために、ツールをご活用いただいています。

ツールに組み込むデータはどのように処理を行っていますか?

現在は複数メンバーで運用を行っています。基本的には2か月に1度、手順書に沿って予測サイクルを回しています。データの加工も行っていますが、加工の手順書を作成しているのでデータに詳しくない人でもデータの前処理を完了できるように仕組みを整えています。

モデル構築時に説明変数やデータの量について吟味していたので、現在は予測モデルのアップデートというよりも運用に特化し、担当者が変わったとしても次の人がスムーズに業務を続けられるよう仕組み化しています。

多田様、樋口様

今後の展望について教えてください。

日本は海外と比べても「胃袋の取り合い」が非常に多い国にも関わらず、外食データは世の中にあまり出ていません。コンビニ弁当を購入する人、牛丼チェーン店に訪れる人、カップラーメンを買う人、どの人達にとっても「空腹を満たしたい」といった本質的な欲求は同じです。これまでのデータでは難しかった業態/チェーン横断を分析できるツールをご提供することにより、高度なマーケティング支援をメーカー様等へ届けていきたいと思います。

またツールを活用するメーカー様は新商品を販売する際に、どのような方に商品を購入いただけそうかといった予測にも非常に興味を持っていただいております。

非常に難しい予測のひとつかとは思いますが、これまで蓄積してきたデータをもとに今後チャレンジしていきたいと考えています。メーカー様のミッションは「売れる商品を作ること」「作った商品を各小売店の棚に置いてもらうこと」の2段階があります。

市場ニーズを掴んだ上で、新商品を流通様に営業する際のエビデンスとしても弊社が提供するレシートデータを活用いただけるよう、支援していきたいと思います。

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