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水道管の漏水調査を行う水道テクニカルサービス株式会社。
水道業界において、水道管等の老朽化が進み、事故のリスクが高まるなか、より効率的な予知保全が求められています。今回は、Prediction Oneをどのように活用し効率的な漏水調査に挑戦しようとしているのか、ご担当の佐藤様にお話を伺いました。
弊社は水道管の漏水調査を行う会社で、私は調査員を務めています。また、Prediction Oneを実際に操作しているのは私になります。
もともとPrediction Oneは社長から紹介されました。社長が水使用量の分析に利用可能なソフトを探していた時にPrediction Oneを見つけて業務で活用できないか私に調査指令が出たことがきっかけになります。
AIの利用経験はなかったのでエクセルやそのほかの予測分析ツールをお試しで利用してみたりして比較検討してみました。最終的に値段や使い勝手の良さから導入を決めました。
Prediction Oneの使い方として2つの想定で利用しています。1つ目は、水道管で発生する漏水予測になります。2つ目はクライアントである学校の使用水量の予測を行っています。
学校においては毎月どの程度水道を使用したかデータとして蓄積があるため過去の実績を基に予測を行っています。主にこの2つで活用していますが、使用水量の予測に関しては学校以外での施設でも予測できないか検討しています。
学校の使用水量の予測モデルに関しては、精度として決定係数※1が0.84と高い精度のモデルを作成することができました。特徴量として、学校名やプールの有無、生徒数、月毎の使用量等の実績データを使い、数値予測でモデル作成を行いました。
また、作成したモデルを用いて、過去に漏水調査の発注をいただいた学校のお客様の使用水量を予測したところ、下図のように、発注の数か月前から予測値と実績に乖離が発生している学校もありました。
Prediction Oneの予測を活用すれば、これまでよりも早く漏水を検知することが期待できます。
水道管の漏水発生予測については、実業務へのインパクトという意味ではまだまだこれからかなと思います。検証として、過去データを基にPrediction Oneを使い、予測検証を実施しました。具体的には、漏水履歴を管路データに紐づけPrediction Oneで学習を実施、予測モデルの結果を漏水履歴や直近の漏水調査結果と照合し、予測モデルの有効性を検証しました。
結果として、従来の方法と比べ、効率的に漏水を発見できる可能性を証明できました。実際に業務適用できるよう今後も試行錯誤を重ねていきたいと思います。
水道業界でも、AIという言葉自体は浸透しつつあり、AI活用を進めようという動きはあります。一方で、なぜこの結果になったのか?という部分がブラックボックスで業務適用の段階で行き詰ることがあります。
そのため、今は行った業務をAIで検証しABテストを実施しています。ゆくゆくは学校事例のような成功事例をより多く作り、AIを有効活用していきたいと思います。