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AIによる故障原因の究明で品質改善へ。
データ分類業務の心理的ハードルを低下!

企業Profile

サトーホールディングス株式会社

設  立:1951年(昭和26)5月16日

従業員数:5,656名(2022年3月31日現在)

事業内容:自動認識ソリューション商品の市場調査、企画・開発、設計、製造、販売、保守などを行うグループ内傘下子会社の経営戦略策定・経営管理

左から古井様、澤田様、川崎様、増田様

導入目的市場情報や製品情報の分析
  • 導入前の課題

    ① データ分析業務が個人の分析能力に依存している
    ② データの分類に多大な工数がかかっており効率化したい

  • 導入のポイント

    ① 高い精度でデータ分析ができる
    ② 他社製と比較して、入力と出力が決まった形になっているのでわかりやすい

  • 導入効果

    ① AIの判断結果を参照することで、分類業務のハードル低下につながった
    ② データ分類の工数の削減

サトーグループは、あらゆるモノや人に情報を紐付け、その動きを可視化することで、 現場ごとに最適な課題解決の仕組みを提供する「自動認識ソリューション」を開発されています。
国内外の現場サービス部門をサポートするグローバルサービス統括部グローバル技術支援グループにおいて、Prediction Oneを導入。日々、商品と現場活動の改善につなげる分析業務を行う皆様にお話を伺いました。

顧客のダウンタイムを減らすために検証と分析を行う

貴社の開発されている「自動認識ソリューション」と、皆様の業務内容についてお聞かせください

澤田様:「自動認識ソリューション」は、業務の効率的な運用をするために、安心安全を基本としてモノと情報を結びつけるものです。バーコードやRFIDなどのラベルと、そのラベルを発行するプリンタ、読み取り機などハードウェアやそれらを制御するソフトウェアなど関連商品の提供を通して、物の送り先や商品の賞味期限といった情報を正しくモノと結びつけ、可視化することによりお客様の管理を効率化する役割を担っています。小売、製造、物流、医療など幅広い分野でご活用いただいております。

▲各種ラベルプリンタ

その中で我々は、お客様と直に接する「サービス保守部門の支援」を行っています。ラベルプリンタが故障し、ラベル発行ができないとお客様の工場やラインが止まってしまいます。そういったダウンタイムをいかに少なくするかがミッションです。

日々、CE(カスタマーエンジニア)という技術者がお客様のところで機器を修理しています。その中でCEから寄せられる情報や問い合わせ内容を蓄積して、設計、製造、営業まで含めて各部門にフィードバックすることで、先回りして問題を解決したり、品質を高めたりできるようにするのが我々の業務です。

▲ラベル自動貼り付け機

属人的業務の標準化と効率化を目指し、無料版を使ってみると80%の精度が出た

Prediction One導入の経緯をお聞かせいただけますか?

澤田様:市場情報や製品情報の分析が複雑化する中、当社では、個人の分析能力に依存している状況でした。
ここにAIを導入することによって、属人的業務を標準化することが課題となっていました。また、分析業務に多大な時間を要しており、業務効率の改善も課題に感じていました。

インターネット検索でPrediction Oneを見つけた当初は、何の業務に使うかよりも、「どのように予測するのか」に興味があり、トライアル版をダウンロードしてみました。しばらくは実際の分析には取りかかれませんでしたが、2021年9月から、現在活用している分類の業務で使えないか検証を始めました。

もともとAIの知見はあったのでしょうか?

澤田様:あまり知見はありませんでした。ただ、数年前から世界的にAI活用が進んでいることはわかっていたので、デジタルトランスフォーメーションやデータサイエンスなどの勉強を始めています。その中で、大量のデータ解析が高速で処理できるAI技術は、今後必ず会社の役に立つと考えるに至りました。

はじめて使われた際は、簡単に使えましたか?

澤田様:はい。細かくモデルを作りこめたわけではありませんが、他社製と比較して、Prediction Oneは入力と出力が決まった形になっているのでわかりやすかったです。1カ月分の学習データを入れて予測をしたところ80%ほどの高い精度が出たので、正式に社内で提案しました。

皆様からの反応はいかがでしたか?

澤田様:否定的な意見は出なかったです。最初のレビューでも、「これで成果が出せるんだったら面白いし、いいよね」という話が出ました。当社自体が顧客の情報を繋ぐサービスを提供しているので、先進技術に対しての抵抗感は薄いという特徴もあるかと思います。

増田様:今行っている業務は人力で行うことが多いのですが、Prediction Oneでデータを溜めて学習を進めていけば、「業務が自動化できるようになるかもしれない、これまでの仕事のやり方を変えられるかもしれない」という期待感が大きかったです。

Prediction Oneを活用し障害の根本的な原因を突き止めたい

現在のPrediction Oneの活用方法をお聞かせください

澤田様:製品の保守データを取り込み、市場情報や製品情報の分析に活用しております。現在は主に保守における障害の分類、つまり「どうしてその障害が起こったのか」という根本的な原因の予測に注力しています。
開発段階で問題があったのか、製造に瑕疵があったのか、お客様の使い方が誤っていたのか、営業の説明が不十分だったのか、修理の技術が足りなかったのかといったことを、層別分類するためにPrediction Oneで分析をかけています。

現状では、AIの予測結果を元にスタッフが最終的な判断を行っていますが、最終的にはPrediction Oneで自動判別できる状態を目指しています。

毎月どのくらいの量を分類されているのでしょうか?

澤田様:毎月150~200件ほど分類しています。これまでは分類するためにバックデータを見たり、必要によってはCEに電話して、より詳細な状況を確認するときもあり、8名で3~4日と大きな工数がかかっていました。こういった状況を効率化できないかと思ったのがAI導入のきっかけです。

どういった説明変数を学習させているのでしょうか?

澤田様:故障時期と故障内容、走行距離(使用状況)、修理内容、エラーメッセージの内容、導入日、修理日、経過日などを学習させています。説明変数は20以上ありますが、寄与度を見ながらある程度絞っております。データクレンジングとして、修理日や製品導入日だけでなく、例えば設置からの経過日を入れることで差分を出すなど、データをなるべくAIが予測しやすい形式にするよう工夫しています。ソニービズネットワークス社のセミナーはこれまでに5回以上視聴しており、毎回参考にしながらその都度見直しをかけております。

▲学習用データイメージ図(取材をもとにソニービズネットワークスが作成)
※実際の数値とは関係ありません

「確信度」の反映でより現実に即した予測を行う

現状のPrediction Oneの精度としてはいかがでしょうか?

澤田様:本格導入後、データが多いほど良いだろうと古いデータを追加学習したのですが、55%程度に予測精度が下がってしまう予想外の結果となりました。しかしこれは、古くて質の高くないデータも含めたためであり、データを精査して教師データを読み込ませた結果、60~70%まで回復しています

精度を高める上でどんな点に注意されていますか?

澤田様:データを収集してくれるのは現場の保守技術者ですので、人為的なミスや欠損が起こらないようにお願いしています。具体的には、全項目欠かさず入力してもらうこと、なるべく正確なデータを入力してもらうことの2点ですね。現場の皆さんが協力してくれることで、品質の向上に貢献しているんですよ、としっかり説明して納得してもらえるよう努力しています

また、注意すべき点としては、使用している「人による故障原因の判断結果」が必ずしも正しいとは限らない点があります
例えば、同じ「製造起因による故障」に分類された場合でも、確信がある場合と他の選択肢と迷いながら選択した場合では、同じ分類結果としてAIに学習させて良いのだろうかという懸念があったわけです。
そこで分類結果の横に「確信度」という項目を設け、その判定結果にどの程度確信があるかを明記するようにしました。一つの分類クラスの中にある異なる確信度を学習用データに反映することで、Prediction Oneでの予測精度をより向上させようという取り組みです。

▲確信度のイメージ図(取材をもとにソニービズネットワークスが作成)
※実際の数値とは関係ありません

Prediction Oneを導入して効果はありましたか?

増田様:AIが出した答えを参考にすることで、障害データの分類効率は大きく上がりました。
以前は、まっさらな状態から全てのデータ項目を見て判断する必要があったため、1件当たりの判断に時間もかかりましたし、それを何十件も続けて作業することは労力を要しました。
今は、AIが出した分類結果を元に、「合っているかジャッジする」というやり方に代わり、見るデータ項目も限られたことで心理的ハードルが下がったとも感じています
チーム総動員、8~9名で丸3日ほどかかっていた検証業務が、現在は概算で4名で2日ほどに削減されています。

澤田様:業務の属人化を解消できる点も評価しています。春に私共の部署に異動してきたスタッフがいたのですが、AIの判断結果を活用することですぐに故障原因の分類業務を行えるようになりました。AIが「勘や経験」の必要のない業務にブレイクダウンしてくれたので属人化が解消され、業務の平準化や暗黙知の解消にも少なからず役立っていると思います

▲Prediction Oneの実務を担当されている澤田様

「手間とコストがかかる」というAIツールへの印象が変わった

今後の展望を教えてください

澤田様:現在は、人手不足解消や業務効率化の文脈でAIを活用した自動化にチャレンジしています。その意味では、今まさに変化を肌で感じているところです。データの扱い方や処理の仕方によっては、他の業務にも活用できるのではないかと感じているため、今後は、他のチームにもおすすめしてみたいと思います。
最終的にはPrediction Oneを導入したことによって業務を格段に効率化でき、「本当に使ってよかった」と感じられるように持っていきたいです。

Prediction One導入を検討されている方へのメッセージをお願いいたします

澤田様:AI分析ツールの中でPrediction Oneは扱いやすく、比較的安価に導入できるため、まずは導入してみてどこまで活用できるか試してみるといいのではないかと思います。
職人的な技術の伝承、製品の販売実績や製品品質と様々な統計データ(パラメータ)との関連性などのテーマを見つけ、Prediction Oneを活用し最適解を探ることをお勧めします。熱意をもって取り組める担当者を指名できれば、業務効率の改善と分析精度の向上につながると思います。

川崎様:導入前は我々も「AIは手間もコストもかかって面倒」というイメージを持っていましたが、Prediction Oneは手軽に導入することができ、身近で面白いものだとAIのイメージが覆りました。前述の通り、我々が最終的に目指すゴールは「Prediction Oneがメインで判断し易くなる状態」ですので、今後はより予測精度を高める方法を模索しながら、活用を加速させていければと思います。

増田様:日々同じ業務を繰り返しても、会社の成長や進化にはつながりません。現状に満足せず、新しいチャレンジを行うことが重要です。AI導入は仕事の仕方や意識変革につながるものであり、会社が変化するきっかけになり得る技術だと思います。我々もAIを活用することで、お客様へより品質の高いサービスを提供していければと考えています。

※1 目的変数 … 予測したい項目。

※2 説明変数 … 予測したい項目(目的変数)に対し根拠となりうる項目のこと。

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