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社内のDX教育プログラムで、AI基礎研修を実施!課題設定後のデータ分析ツールとして積極活用

企業Profile

AGC株式会社

創  立:1950年6月1日

従業員数:7,223名(2021年12月31日現在)

事業内容:建築用ガラス、フッ素化学製品等の製造

※経済産業省「DX銘柄2022」選定企業

導入目的AI基礎研修
  • 導入前の課題

    ① DX時代の問題解決プロセスに必要とされるAIリテラシーを向上させたい
    ② 専門家レベルではなくても、簡単な分析ができる人材の育成を強化していきたい

  • 導入のポイント

    Prediction Oneは使い勝手がよく、AI初心者でも高精度のモデル作成ができる

  • 導入効果

    ① 受講した社員からの評価が高く、具体的な活用の相談が増えた
    ② 課題設定後のデータ分析ツールとして役立っている

素材メーカーとして「ガラス」「電子」「化学品」「セラミックス」の技術をベースに幅広い分野に事業を展開するAGC株式会社。社内のDX推進にも注力し、経済産業省の「DX銘柄2022」に選定されています。

同社は、RやPythonを中心としたデータサイエンティストを目指す社員向けの教育プログラムと併せて、AI技術を手段の一つと位置付けた問題解決のための教育も実施しています。この度は、後者の一環として、Prediction Oneが提供するAI基礎研修が実施されました。

その効果や実務での使い方、さらには問題を発見して解くべき課題を明確にする「因果連鎖分析」というAGC独自の手法や分析における考え方について「因果連鎖分析」の開発者でもある経営企画本部DX推進部デジタルソリューショングループマネージャー・小野様に伺いました。

課題設定後のデータサイエンス問題を解くツールとして導入

小野様の所属部署と業務内容について教えてください

私が所属する経営企画本部DX推進部は、AGCグループ全体のDX推進を目的とした部署になります。業務内容は幅広く、有識者の講演や社内のDX関連の取り組みを紹介するコミュニティの提供、各種DX研修プログラムの窓口などを行っています。

私が担当しているのは、AI活用において求められる「課題設定力」の養成研修、そこからデータ分析につながる方法論の研修、月1回の自由相談会などです。自由相談会で相談者が抱えている悩みを整理していく中で、必要があれば一緒にデータ分析をすることもあります。オールマイティな活動をしているチームと言えるかと思います。

AIの基礎研修を受講いただきましたが、Prediction Oneの研修メニューを活用しようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

弊社のデータ分析に関する研修では、RやPythonなどの分析技術から入る【データサイエンティスト向けの専門コース】と【ビジネス課題の設定から入るコース】があります。
私はデータ分析においてビジネス課題の設定が重要だと考えますが、もちろんデータサイエンティストとしてRやPythonといったプログラミング言語を扱える人材も一定数必要になります。ただ、弊社は素材メーカーということもあり、データサイエンスの素養がある人やプログラミングができる人は他社に比べて多い方とは言えません。

そこで、後者のコースの中のデータサイエンスを担うパートとして「AIって何?」というところから最低限のAI知識を身に付けた上で分析ツールを使った実際の分析ができるまでを最短で、かつ分析への抵抗をあまり感じずに到達できるような研修をしたいと思っていました。今回の研修はそういった要望にマッチしていて、基礎から実践まで一気に駆け抜けられるものだと感じ、実施させていただきました。

受講後、受講した方々に変化はありましたか?

研修受講後にアンケートを行ったところ、大変好評な結果を得られました。その後「Prediction Oneを使って、こういうことはできますか?」といった問い合わせや相談も増えています。

もともと多くの相談を受け付ける中で「こういう用途なら、Prediction Oneを使ってみるといいですよ」とアドバイスをすることが多いです。プログラミング言語でデータ分析が行えるスキルを身につけるには、少なくとも数ヶ月はかかってしまうので「それならとりあえずPrediction Oneを使ってみたら?」と助言しています。

特に、私が受ける相談で多いのは需要予測です。需要予測はデータがそろっていれば簡単に取り組めますし、Prediction Oneの得意領域なので特におすすめしています。

Prediction Oneはデータ分析初心者でも使い勝手がいい

社内のご相談については、どのように解決されているのでしょうか?

ざっくりいうと、データ分析前に問題を整理するだけで解決するケースが3分の1、Prediction Oneで寄与度が分かればOKというものが3分の1、それ以上の複雑な因果関係を知りたいケースが3分の1というイメージです。

分析ツールを使わずに解決できることも3分の1あるのですね

はい、私が独自に開発した「因果連鎖分析」という課題設定手法を使うことで、分析ツールを使う前に解決してしまうケースも多々あります。

典型的なパターンとして、例えば、製造現場で「故障原因の調査のために重回帰分析を実施し、寄与度の高い変数を突き止めたが、理論と真逆の答えになってしまい悩んでいる」という相談があります。そこで複数の担当者にヒアリングしながら因果関係を図に描き、暗黙知を形式知化しながら分解することで因果関係を解き明かしていきます。
すると、見落としていた因果関係に気付き、原因となる装置の設定を変えるだけで故障が0になってしまった。このようなケースはそれほど珍しいものではありません。

このように網羅的に因果関係を可視化すると「因果関係のないデータを無理矢理ツールに入れたから、おかしな相関が出たんだ」ということもすぐに理解できます。このようなことが起こるので、データ分析の細部にこだわるよりも課題をきちんと設定することの方がはるかに効果は大きいですよと言っています。

それでもなお、原因と考えられる候補がたくさんあるときに、データ分析のツールを使って寄与度を確認していきます。とはいえ、RやPythonでパラメータをチューニングしようとすると時間がかかりますし、それができる人は少ない。それなら「最新のアルゴリズムを搭載しているPrediction Oneにかければいいね」という発想です。

分析に取り組まれる前に因果関係を洗い出し、本当の原因を確かめるためにPrediction Oneを使っていただいているのですね

はい。「因果連鎖分析」はデータ分析の前工程にあたります。因果関係を洗い出す過程で、潜在因子と呼ばれる隠れ要素が一番寄与しているのではないか?といった仮説が見えることがあります。その裏付けを取るときにPrediction Oneが役立っています。

他のツールは検討されたのでしょうか?

社内でいくつかのツールを検討しました。ただ、他社製のツールですと「プログラミングなしでできます」という触れ込みのものでも、初心者では扱うのに難しい場合が多かったです。一方で、Prediction Oneに関しては「わかりやすい、これなら自分でも使えそうだ」という声が大きかったのです。ライトに使えて精度も概ね期待できるというところで使い勝手よく活用させていただいています。

データ分析ツールは適切な課題設定あってこそ

相関と因果は別物で、因果関係がわかっているところをツールに入れた方が効率的で失敗が少ないのだということを強く感じます

AIは基本的に人間よりも優れた判断能力を持っていますが、それは適切なデータをあればという前提があります。その適切なデータを準備するための役目として「因果連鎖分析」を活用しています。
因果関係を洗い出せるようになれば、あとはエクセルのような感覚でデータを投入すると予測値が出るツールがあればいいよねとなるので、その点でPrediction Oneは大変良い解になっています。ツール単体というよりは、ビジネスの本質を追求するときに便利なツールですね。

今後、Prediction Oneを使って、人材育成ないし業務での活用、さらにはDXをどのように推進されていきたいとお考えですか?

先ほど申し上げたように、AGCのデータサイエンスの教育ルートは大きく分けてRやPythonを使う専門的なトレーニングコースと、ビジネス課題から入っていくコースとの2つに分かれています。

私が担当する後者のコースでは、データサイエンスに対するリテラシーがさほど高くない方も多数参加されるので、引き続きPrediction Oneを活用していきたいと思っています。また、前者を中心に参加される方にとっても、自身が作った分析モデルとの間にどのくらいのギャップがあるかチェックする補助的なツールとして活用してもらえればと考えています。

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