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- 301~1,000名
富山短期大学では、学生の就職活動を支援するためにPrediction Oneを導入いただいています。
従来の年功序列型雇用とは異なり、職務内容や役割に基づいて賃金や評価を行う雇用形態であるジョブ型雇用が一般化しています。ジョブ型雇用では学生自身が自分の強みや適性を理解し、それに合った職種を選択することが重要で、自己分析を行い、自分を理解するための一つの手段としてPrediction Oneを活用いただいております。
短期大学の学生は入学して1年が経たないうちに就職活動が始まるため自分自身を理解する時間も少なく、どのような仕事が自分に向いているのかわからないという課題があります。富山短期大学では、Prediction Oneを活用して客観的に適正を分析することで、自分に向いている職種のヒントを得て、将来の選択肢を考えてもらうキッカケにしています。
なぜAIを活用して就職活動をサポートすることに至ったか、富山短期大学にてDXを推進する森井泉様へお取り組みについて伺いました。
富山短期大学では4つの学科があり、その中で私は経営情報学科の教員をしています。以前は企業に勤めていたこともあり、担当としては主にはビジネス全般、デジタルデザイン、労働基準法などに取り組んでいます。
また、専門としては富山県内の企業とタッグを組んで、AI・IoTといったテクノロジーを活用しDX推進を行っています。
富山短期大学は全4学科中、食物栄養学科以外の他3学科は文系になります。
そのため、理系人材に求められるようなハイレベルな知識を教えるというよりは、文部科学省が勧めている「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」からAIに関するリテラシー、および技術について体系的な教育を行い、基礎的な能力を学生たちに身に付けてもらうような取り組みや授業を行っています。
短期大学の就職活動時期は、1年次の11月からスタートします。高校を卒業してから1年も経たずに就職活動が始まるので、会社を選ぶ前に「自分はどのような職種が向いているのか」といった質問を学生からされることが多く、サポートする先生方も入学後からの短い期間で学生の長所・短所をしっかりと把握が出来ていない中で支援をしなくてはならない状況でした。
このような課題を抱える中で、学生たちに「自分の適性を発見してもらう」ためにAIツールを導入するに至りました。
当初はAIを開発することも視野に入れて検討していましたが費用感がマッチせず、情報収集を続けていました。
その中でPrediction OneのWebページを見つけ、無料のトライアルを試したところ、直感的なインターフェースで操作性も高いと感じました。また、AIの知識がなくても手を動かしながらツールを理解できそうと感じ、コスト感もマッチしたことから導入を行いました。
今は、期末テストの結果をベースにデータを作成しています。評価ランクがS・A・B・C・Fの5段階があり、必修科目・選択科目によって、各学生の取得単位数も異なってきます。
得られたデータを10パターンほど作成しているモデルに入れ、どのモデルが精度の高い結果を出せるか、常にデータとモデルに関しては試行錯誤を行い、改善し続けているのが現状です。
「就職先を決定する」という行為は、在学中は当然ながら1度しかないため、学生から結果を聞いたうえで、予測分析の結果とともに振り返りを行っています。
「新しい自分を見つけられた」といった声を多く聞きます。学生自身は事務職が向いていると考えていたものの、分析結果から営業職が向いているという結果が出たので、営業職の企業を調べて就職活動を行った学生もいました。
新しい自分へ出会うキッカケとして、学生たちの選択の幅を増やすことができているという手応えを感じています。
あくまで「就職活動を行い、就職先を決定する」のは学生自身となるので、「判断材料を増やす取り組み」としてAIから導かれる結果を学生自身が判断して活用していってもらいたいと考えています。
「自分が向いている仕事はこれしかない」と決めつけるのではなく、AIの分析結果以外にも様々な情報に触れて自分で情報を取捨選択しながら就職活動に取り組んでいってほしいと思っています。
また、分析モデルについては日々見つめ直し改善を続けていくことで、さらなる学生の支援につながればと試行錯誤を続けていく予定です。