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第3回 Prediction One 担当者交流コミュニティ イベントレポート

2025年4月22日、ソニーシティ大崎にて、第3回 Prediction One 担当者交流コミュニティイベントが開催されました。今回は、新機能のリリースを機に、業務におけるAI活用のあり方を改めて考えていただく場として、AI活用や予測分析業務に取り組まれている企業のご担当者様にご参加いただきました。
本記事では、当日のハイライトをご紹介します。
目次
1.コミュニティイベント開催の背景
2.Prediction One最新機能のご紹介と今後の展望についてのご説明
3.ソニーフィナンシャルグループ様による特別登壇
4.Q&Aセッションの様子
5.コミュニティイベントの様子
コミュニティイベント開催の背景
本イベントは、Prediction Oneの新機能リリースをきっかけに、予測AI・生成AIの実践的な活用方法を共有し、ユーザー様同士の交流を深めることを目的に開催されました。
「どこから始めればいいかわからない」「相談できる人がいない」といった現場の声に応えるべく、開発・企画チームから新機能をご紹介し、参加者の皆さまと直接意見交換を行う、貴重な機会となりました。
Prediction One最新機能の紹介と今後の展望についてのご説明
Prediction One企画担当が直近のリリース機能を紹介し、開発リーダーの宮原が、生成AIとの連携やPredictionOneの今後の展望について説明しました。
①進め方ガイド機能
予測分析の全体像をステップごとに整理し、作業の進行状況を見える化する機能です。データ準備からモデル構築、評価までの流れをチェック項目として表示し、各工程を迷わず進められるようサポートします。これにより、「何から始めればよいか分からない」という課題に対応し、初心者でも安心して予測分析を進められるようになりました。

プロジェクトごとに進め方ガイドを作成し、予測分析の全体的な流れのうちどのタスクまで完了したか、次にどんなタスクに取り組めばよいのか、といった内容を確認できます。
②インサイト生成機能
予測に影響を与える重要な要因や傾向を自動的に抽出し、グラフなどで視覚的に表示する機能です。特に注目されるのが、LLM(大規模言語モデル)を活用した「スマートインサイト」です。複雑な項目間の関係性を整理しながら、結果に影響する要素をわかりやすく提示することで、「なぜこの結果になったのか分からない」といった課題の解消に貢献し、分析にかかるスキルや手間の軽減にもつながります。

サマリの「スマートインサイト」には「各項目の詳細」と「項目間の関係」からピックアップされた重要な情報が表示されます。
LLMを活用することで、最も重要なインサイトを効率的に抽出しています。
また「各項目の詳細」で表示されたデータの改善点についても、まとめて表示します。
③説明資料生成機能
予測モデルの評価結果や分析内容を、自動でスライド形式(PowerPoint形式)の資料として出力できる機能です。精度や寄与度の説明に加え、入力データの可視化グラフにも対応しており、スライドは編集や色の変更も可能です。「分析結果の取りまとめが大変」といった課題を解消し、社内報告や意思決定の場面でもスムーズに活用いただけます。

説明資料生成機能とは、モデル予測に関する説明資料を自動で作成し出力できる機能です。
予測モデルを作成できたとしても、そのモデルから得られる示唆が分からなかったり、社内説明資料の作成に工数がかかったりという課題があります。
説明資料生成機能ではPrediction Oneを用いて次のアクションにつなげられるよう、予測モデルに関するPowerPoint資料を出力することができます。
④新機能:マニュアル検索機能
Prediction Oneに関する質問を自然文で入力すると、生成AIが公式マニュアルの内容をもとに回答を返す機能が追加されました。従来のキーワード検索で課題となっていた、言葉の一致やページ選びの手間を解消し、使い方やトラブル対応をよりスムーズに行えます。RAG(Retrieval Augmented Generation)という手法を用い、正確かつ実用的な回答が得られるのが特長です。使い方の確認や専門用語の理解、精度向上のヒントまで、幅広い活用が期待されています。

質問を文章で入力すると、マニュアルの内容に基づいて生成AIが回答
Prediction Oneの今後の展望について
開発リーダーの宮原からは、「人間・生成AI・予測AIの連携」を今後の方針の柱とし、実務での精度と効率をさらに高めていくという展望が語られました。
セッションの中では、このビジョンを実現するための具体的なアプローチについても語られ、Prediction Oneのさらなる進化にご期待いただく時間となりました。
ソニーフィナンシャルグループ豊島氏による特別登壇
ソニーフィナンシャルグループの豊島様より、「AIと人、そしてPrediction One」をテーマに特別講演が行われました。

豊島氏はソニーグループ内のトップエンジニアに贈られる称号「Corporate Distinguished Engineer」の一人であり、AIやシステムアーキテクチャの専門家として多数の講演や執筆活動に取り組んでいらっしゃいます。
Prediction Oneが持つユニークな価値
豊島氏は、Prediction Oneが現場で使われ続ける理由として、実用性の高さと開発姿勢を評価したうえで、特に重要とされる3つの観点について、具体的な見解が示されました。
1.AIの民主化
近年、生成AIのように「誰でも使えること」が普及の大きな鍵となっており、AIの民主化は重要なテーマとなっています。予測分析という領域にも、専門知識がなくても使えるツールが求められていると語り、Prediction Oneについても、そうした流れを体現する一例として言及されました。
2.実務との高速インタラクション
エンジニアがコードを記述しなくても、現場の担当者がデータを入力するだけで予測モデルを構築できる点が紹介されました。Prediction Oneが現場レベルで迅速な意思決定を可能にするツールであると述べられました。
3.エンジニアにも支持される高精度モデル
Prediction Oneには、XGBoostやNeural Networkといった高度な予測エンジンンが搭載されており、エンジニアが手作業で構築するのと同等、あるいはそれ以上の精度が実現可能であると述べられました。そのうえで、誰でも扱える高性能ツールとしての側面が、実務活用において大きな強みになると評価されました。
その他、「AI導入を進める際の考え方」、「マネジメント層へのアプローチ方法」など、現場と経営の双方に通じるAI活用の実践的な知見が数多く示されました。

Q&Aセッションの様子
コミュニティイベントでは、登壇後に質疑応答の時間を設け、参加者の皆さまから「生成AIの活用方法」や「クラウド/デスクトップ版の開発方針」、「他社のAI活用事例」など、さまざまな質問にご回答いただきました。
技術的な関心から業務での活用ヒントまで幅広い内容が取り上げられ、登壇者と参加者の間で活発な対話が交わされました。

コミュニティイベントの様子
イベント後半では、参加者同士の交流を深める場として、ワークショップと懇親会を実施しました。ワークショップでは予測テーマに基づく実践的なディスカッションが行われ、続く懇親会では業種や役割を越えて、日頃の活用方法や課題について活発な意見交換がなされました。会場全体が前向きな空気に包まれ、有意義な交流の時間となりました。
ワークショップ
予測分析のワークショップでは、参加者の皆様がグループに分かれ、普段の業務とは異なる「予測テーマ」に対する活発に議論されました。弊社開発メンバーも各グループに入り、実務視点での意見交換が行われました。

懇親会
ワークショップ後の懇親会では、Prediction Oneの活用に関する実践的な情報が飛び交い、参加者同士の交流が活発に行われました。弊社にとっても、お客様が日々直面されている課題やニーズについて多くの気づきを得られる貴重な時間となりました。

今後もPrediction Oneは、お客様のビジネス課題解決に貢献できるよう進化を続けてまいります。活用に関するご相談やお悩みも随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
